“世界一難しいゲーム”の話

以下の記事は、以前にmixi日記で書いた内容のコピペです。


僕は実はゲーム会社の人間なので、たまにはゲームにまつわる話を交えて書きたいと思います。
あ、ちなみにアカデミックな話ではありませんし、つまらない話です。


世の中のゲームには、「完全情報ゲーム」と「不完全情報ゲーム」があります。


簡単に言うと、「完全情報ゲーム」とは、自分と対戦相手のコマやカードの様子が全部見えてる中で進めるゲームです。
将棋や囲碁なんかは完全情報ゲームですね。
多くのボードゲーム類も、これに当てはまるでしょう。
完全情報ゲームの場合、ゲームによっては、頑張ればコンピュータで最強のプレイヤーを作ることもできます。
実際、僕が大学院時代にいた研究室では、コンピュータゲームプレイヤーの研究をしていました。


一方、「不完全情報ゲーム」の方は、対戦相手のコマやカードの様子を見ることが出来ないゲームです。
麻雀とか、あとは多くのカード系ゲームは不完全情報ゲームですね。
一部のネットワーク対戦ゲームも不完全情報かな。


不完全情報ゲームの難しいところは(と言っても完全情報ゲームが簡単というわけではないのですが…)、限られた情報から相手の手の内を探らなければならない点です。
まあ、麻雀には「オープンリーチ」なんていう例外もありますけどね。
不完全情報ゲームでは、「相手の手の内が見えればどんなに楽だろうか」と心底思わさる場面が多々あります。
しかし一方で、相手の手の内が見えないからこそ生まれる面白さもあると思います。


相手の一挙手一投足に注意を払い、限られたデータから相手の心を読まなければならないというのは、難しいものです。



さて、唐突ではありますが、次に紹介する歌は、僕が大好きでここ数日は毎日何回も聞いている歌です。
男声パートと女声パートに分かれています。
双方の歌詞の差を、ぜひ味わってみてください。


初音ミク feat. halyosy】メルト - デュエット?ver 【歌詞付き】
http://www.nicovideo.jp/watch/sm1757584


ニコニコ動画が見れない人のために、歌詞を置いておきます。
http://ameblo.jp/ito-ash/entry-10060077380.html


僕がここで言いたいこと、それは、


不完全情報ゲームの中でも、
“片想い”ほど 難しく、奥深く、そして心躍る不完全情報ゲームは
この世に存在しない


ということです。


もう一度、先ほど紹介した「メルト」の歌詞を味わってみてください。


相手の限られた行動や状態から、相手の心の内を探らなければいけない。
もし相手の心が読めるのなら、どんなに楽なことだろう。
それは胸が締め付けられるような苦しさであり、しかし悦びでもある。


これって、まさに「不完全情報ゲーム」、ですよね?
そして、この不完全情報ゲームは多くの場合、「告白」という行動によって決着がつくわけです。


もっとも、「メルト」の歌詞のような状況は片想いではなく実は両想いなのですが、でも当人達は片想いのつもりで臨んでいるわけです。


私事ですが、このゲームにおける僕の勝率は、・・・正直、低いです。
もっとも、「勝率」なんて言葉が使えるほどデータ数があるわけではありませんが。
でも、実は過去の戦歴なんて、はっきり言ってどうでもいいんです。
今、自分が挑んでいる片想いに勝利すること。それが全てです。


そう。
今、自分が挑んでいる片想いに勝利すること。
それが全て。


不完全情報ゲームというキーワードに絡めて、ちょっと持論を展開してみました。
ぶっちゃけ、持論っていうか、今の心境、かな。
マジで情報欲しい。相手がオープンリーチだったら、どんなに楽なことか。
でも、不完全情報ゲームって、そういうものよね。
ちょっと正直に書きすぎたかな。まあ、このクソ長い記事を最後まで読む人はそうそういないだろうから、いいや。


てなわけで、今日も「メルト」をリピートしながら夜を過ごします。
いや、おれの心境を代弁しすぎだろ、常識的に考えて。
この歌聴いているとマジで泣きそうなんだが。何とかしてくれ(笑)