ゲームプレイ時間と「ジャネーの法則」に関する一考察

今、トリビア見てて、「ジャネーの法則」っていうものが紹介されてました。
僕も初めて聞いたんだけど、要約すると、

ジャネーの法則
生涯のある時期における時間の心理的長さは、年齢の逆数に比例する。
(フランスの心理学者ポール・ジャネーによる提唱)

というものです。


例えば、1歳の子供にとっての1時間は、
24歳の僕にとっての24時間、つまり1日に匹敵する、というわけです。


なるほど、確かにこれは当たっているような気がします。
年を取ると、時間が経つのが早く感じるというのはよく聞く話ですし、
僕にとっても、それは当てはまる話だと感じる場面が多々あります。


だいたい、人間の感性にまつわる話っていうのは、
反比例か対数関数で表される話が多いような気がします*1
今回の話を対数関数的に考えることもできそうですが、
まあそれは話が長くなりそうなので止めておきますw



で、今回この「ジャネーの法則」の話を聞いて思ったのは、
ゲームのプレイ時間についてです。



最近、過去の名作RPGがリメイクされて発売されたりしてて、
僕自身も、過去に自分がプレイしたRPGを再びプレイしたりするんですが、
なんだか、ものすごく物足りなく感じてしまうんです。
そりゃ、確かにゲームの内容はある程度覚えてますし、
昔のゲームですから、今のゲームに比べれば表現などは劣る部分もあるでしょう。
ただ、ここで僕が「物足りない」と感じるのは、
ゲームをプレイしている時間についての物足りなさです。



少し前の話になりますが、テイルズオブシンフォニアを確か30時間ぐらいでクリアしました。
もうちょっとかかったかな? 確か30時間台だったように思います。
で、この前、ちょっとスーファミFF5を動かす機会があったのですが、
FF5の中には、44時間で全員全ジョブマスターをしたデータが入ってました。



・・・あれ? たった44時間??



これがそのとき思った僕の率直な感想です。
というのも、テイルズオブシンフォニアを30時間でクリアした感覚からいけば、
そのわずか1.5倍程度の時間しかFF5をプレイしていなかったとは、
到底信じられなかったのです。
実際は、もっと、100時間近くみっちりやりつくしている感触が残っていたので。


さて、ここで例の「ジャネーの法則」を持ってきてみましょう。
僕の年齢は、それぞれ

年齢は、FF5当時はテイルズ答辞の半分。
ということは、感じる時間は逆にFF5当時は2倍の長さであったということになります。


これをあてはめれば、当時44時間プレイしたFF5は、
今の僕の感覚で言えば約90時間プレイしたに等しいということになりますね。
本当に、あのゲームは散々プレイしまくった記憶があったので、
これで、なんと言うか、すごく納得しました。
おそるべし、ジャネーの法則



あと、ここでもう少し、もっと一般的な話題で考えてみたいと思います。
昨今、ネトゲの普及によって、
たとえば、レベル上げで同じゲームを100時間や200時間プレイするということが、
あまり特殊なことではなくなってきました。
しかし、例えば24歳の僕が100時間プレイしたとすれば、
それは12歳の僕にとっては200時間、6歳の僕にとっては400時間にもなるわけです。
そんな長時間かかるゲーム、子供がやるわけありませんよね。絶対飽きます。
飽きるスピードだって、感覚の時間と相関を持つでしょうから、年齢に反比例するわけです。


つまり、僕が今回気づいたことは、

子供をターゲットにゲームを作るなら、
あまり時間のかからない簡潔なゲームにするよう心がけるべきである。

ということです。
まあ、こう書くとなんだか当たり前すぎて、今更言うことじゃないかもしれませんが、
学者によって提示されたひとつの法則によって、
この事実が、学術的・論理的に裏付けられた、と言えるのではないでしょうか。


もっとも、ポケモンなんかになると、
小さい子供であっても、100時間を軽く超える時間プレイしてたりしますよね。
我々の感覚に置き換えれば、下手すると4桁に届かんとする勢いのプレイ時間です。
こういうのを「キラーソフト」と呼ぶんですね・・・。
あらためて実感した次第です。


子供には子供の、大人には大人の時間の流れがある。
それを「ジャネーの法則」によってある程度定量的に評価できるとすれば、
それを一指標として頭の片隅に置きながらゲームを製作するのも、
悪い話じゃない気がします。
もちろんこれは、ゲームに限らず、
年齢を考慮すべき様々なコンテンツにあてはまる話なのかもしれません。
言い方を変えれば、老若男女あらゆる世代に受け入れられるコンテンツを作るというのは、
本当に難しいことなのだと思います。



・・・最近ゲームを買う頻度が上がってきた気がする。
きっとこれも、ジャネーの法則が原因・・・と思い込んでおくことにします(笑)

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*1:たとえば、「音」がそうですよね。例えば、Aの音(ラの音)を1オクターブずつ順に「A→A→A→・・・」と鍵盤を叩いていくと、我々の耳には、あたかも直線的に音が上がっていっているように聞こえますが、実際の周波数は「440kHz→880kHz→1760kHz→・・・」といったように、2倍・4倍・8倍といった形で増加しています。こうした等比級数的・指数的な増加が、直線的な増加に置き換わっているということは、つまり対数関数が働いているということになるわけです。我々の聴覚のどこかに、そうした対数関数のフィルターがあるのでしょうかねえ。詳しいことはわかりませんw