「公認会計士」をめぐる認知と、自分の現状について

colonel2010-11-16

1日12時間勉強「自信あった」=公認会計士、史上最年少合格の長谷川君


 難関の公認会計士の試験に、岐阜県中部学院大学各務原シティカレッジで会計を学ぶ長谷川智也君(16)が史上最年少で合格した。「うれしさや、もう試験勉強をしなくていいという安堵(あんど)、そしてこれからどうなっていくのかという不安が入り交じった複雑な気持ち」と、各務原キャンパスで今の心境を語った。
 「とにかく数字が好きだった」と話す長谷川君は、通信制の高校で学んでいる。父親の勧めで勉強を始めた簿記で、昨年6月に1級に合格。勉強を通じて、公認会計士の専門性に魅力を感じ、15歳だった昨年12月に公認会計士短答式試験に合格した。
 多いときは1日12時間勉強。「同級生が知らない新しい知識をどんどん吸収できたことが面白かった。これだけ勉強したから、受かる自信はあった」と淡々とした表情で語った。
 まだ進路は決めていないが、「働いた方が得るものが多い気がする」として、就職を考えているという。(2010/11/15-20:16)


http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2010111500813

うーん、やっぱり世間の認知度、低いのかなー、公認会計士って。
そりゃね、医者や弁護士に比べると認知度低いのはわかるけども。


とりあえず、危惧される事態としては、今回16歳の合格者が出たことで、

公認会計士って簡単になれるんじゃね?」

っていう認知が広まることです。
この認知には、主に2つの誤りがあります。


まず、一つ目。全然簡単な試験ではありません。本当に。
こちとら受験勉強真っ最中の身としては、こういう認知が一般化されると本当にやってられないです。
正直、今の自分、大学受験のときよりずっと勉強してます。
ですが、大学受験のときよりも、合格がずっと遠くに見えて仕方ありません。
大学受験のときは、まあ浪人こそ一年やったけど、なんとなくゴールがうっすら見えてたんだよね。
今回の試験に関しては、まるでゴールが見えない。大学受験よりもはるかにキツい。
まあ、大学受験の難度は受ける大学学部学科如何だから、一概に比較は出来ないですけども。
大きな壁です。


もう一つ目。
公認会計士になる」ためには、試験の合格後、

監査法人等で2年間の監査実務経験を積む必要があります
・補習所に通い所定の単位を修得する必要があります
・修了試験に合格する必要があります(旧第3次試験の一部)

というわけで、16歳の彼はあくまで「公認会計士試験合格者」であり、
まだ「公認会計士」ではない、ということです。
「16歳でも公認会計士ってなれるんだー」っていう認識は間違いですので、
そこも勘違いされると、受験生としては色々キツいところです。
なにせ、今は監査法人業界も強烈な就職氷河期でして、
例えば今年度の場合、1900人の試験合格者中、監査法人に就職できるのは800人程度とのことです。
ソースは日経新聞
「試験合格」と「公認会計士認定」の間には、またひとつ大きな壁があることも知っておいてほしいところです。


以上、愚痴というわけではありませんが、
ちょっと思ったことをつらつらと書いてしまいました。
16歳で合格した彼に嫉妬するつもりはあんまりないです。
毎日10時間の勉強を専門家の元で積めば、16歳でも合格は不可能ではないと思います。
それに、生き方はひとそれぞれ。
彼は、史上最年少合格者の称号を得た代わりに、我々が経験してきたような高校時代の楽しい思い出を得られない可能性だってあります。
僕は、自分の高校時代の過ごし方には何の一点も後悔はありませんし、今の受験生生活もポジティブに捉えているつもりです。


アラサー受験生は、2chの会計板などに行くと
「撤退しろ」「どうせ合格しても内定は絶対もらえない」
などと揶揄されます。
でも、少なくとも僕は自分の経歴や能力にある程度の特殊性があると思っていますし、それが就活の武器に成り得ると思っています。
じゃなきゃ、公認会計士試験の勉強と並行して情報セキュリティスペシャリスト試験やネットワークスペシャリスト試験なんて勉強したり受けたりはしません。
もちろん、就活に対して不安や恐怖はあります。
でも、そんなものは論文式試験に合格できそうな手応えを得たときに初めて考えればいいことだと思っているので、極力今は考えないようにしています。


そんな私の現状。
5月の短答式試験までに、ぎりぎり消化出来るかどうかの勝負になってます。
他の受験生の皆さんに比べると、勉強の進度が非常に遅れていることは否めません。
さりとて、今の僕の体調では、詰め込みで勉強することには限りがあります。
体調の許す範囲で、出来るだけのことをやる、その先のことは今は考えないようにしています。


知人に数名いらっしゃる受験生仲間の皆様には、いつもとても励まされています。
この場を借りて、御礼申し上げます。いつもありがとう。
共に良い結果を残せるようベストを尽くしていきましょうね。


以上、本日のガス抜きは終了します。
お付き合いいただいた方に、御礼申し上げます。
いや、大学受験の方が楽だったわ、ほんと。今はしんどいです。